いぬかい
せきぶつ
犬飼石仏
この犬飼石仏は阿蘇凝灰岩の岸壁に半肉彫された、本尊不動明王と脇侍仏の二童子からなっております。本尊不動明王は 高さ三.七六メートルの大座像であり、脇侍仏は向って右側合掌姿が矜羯羅童子で高さが一.七〇メートルあります。本来、不動明王は恐しい形相をしているものですが、本不動明王の顔は極めて温顔であり、半眼(左眼を墨で一線書きにしているため、片目をつむっている状態です。)で民衆を浄化しております。又、両足を組んで 足の裏をはっきりと表面に向けて座る結迦跌坐の表現も興味深い点であります。
この石仏は伝えるところによると、日羅によって彫られたといわれておりますが、その一面鎌倉時代以前の古い様式かうかがわれるため、製作時期は平安時代まで遡る可能性も考えられております。石仏上方の岸壁には『龍伝山』の三大朱文が彫られ、又、堂側右岩側にある『南無大師遍照金剛』の八大文字はかなり時代か下がり刻まれ、厚い大師信仰をしのぷことかできます。
境内には他に、永徳二年(一三八二年)の刻銘のある石造五輪塔、堂右には洞龕のミニ五輪塔群があります。
当石仏は昭和九年一月二十二日に国の史跡として指定されております。
平成15年10月 犬飼町教育委員会 (説明板 から)
大分県豊後大野市犬飼町田原【おおいたけん ぶんごおおのし いぬかいまち たはら】